2024留学相談Q&A特集(1)

留学相談について

本グループは約2年前から無料の留学相談窓口を設けて、香港科技大学工学院への留学を中心に、海外大学院留学に関する様々な相談を受け付けています。

グループには香港科技大学工学院留学中の日本人学生、卒業した先輩、日本人の香港留学を応援したい香港人の留学生たち、そして日本の国立大学で国際交流・留学サポートを担当している香港出身の先輩がいます。皆さんの質問に対して自身の経験をもとに答えさせていただいています。

香港科技大学工学院(School of Engineering)の正式後援をうけているので、必要に応じて工学院の留学担当のスタッフへお繋ぎすることもできます。

香港科技大学工学院への留学に関して、例えば、香港留学とはどういうことか、大学院コースとプログラムの選び、給付型奨学金獲得の作戦、キャリア形成、キャンパスライフ、国際交流など、いろんな面から経験を共有させていただいています。

メールにてお気軽にご相談いただければと思います。

info [at] hkustengineeringjp.org
*[at]を@に修正してメールを送ってください。

2024年留学相談におけるQ&A特集(1)

2024年の年末が近づいてきました。この一年にメールを通して様々なお問合せや相談が寄せられました。この特集では、皆さんの参考になりそうなお問合せや相談などをQ&Aという形でまとめさせていただきました。お役に立てばと思います。

世界は広く、欧米地域に限らず、アジア留学においても自分の視野拡大とスキルアップにつながるチャンスがたくさんあります。そして、経済的な負担をなくし留学が楽にさせる給付型奨学金獲得のチャンスもいっぱいあります。まず第一歩を踏み出して、自分なりの留学を実現させるために、的確な情報収集をしておきましょう。

Q1:香港留学って今まで考えたことがないが、香港って留学先としてありですか。
確かに現在、香港留学に関する情報が比較的に少ないですね。香港留学の価値をはかるにあたって、まずは香港の高等教育の背景と現状を理解しておくと良いかなと思います。

アヘン戦争後、やがて香港全土がイギリスの植民地となりました。植民地時代から、香港の教育制度は基本イギリスのシステムのもとで築かれ、学校の指導言語が英語となりました。大学といえば、1887年に香港医科大学が創立され、1911年に大学の認可をうけることで香港大学として再編成されました。1949年に香港中文大学の前身が創立され、1963年に総合大学として設置されました。1991年に香港科技大学、1994年に香港理工大学、香港浸会大学、香港城市大学、1997年に香港都会大学、1999年に嶺南大学(私立)、2006年に香港樹仁大学(私立)、2016年に香港教育大学、2018年に香港恒生大学(私立)、2024年に聖方濟各大学(私立)、90年代からそれぞれの大学が設置されました。香港では、私立大学以外の大学が政府から全面的にサポートされ、日本の国立大学に相当します。イギリスの教育制度のもとで発展してきた香港の大学は英語を主要言語としながら、欧米大学とのコネクションが強く、早期から世界多くの名門大学と学術協定を締結しています。香港の大学は世界大学ランキングにおける評価がアジアのなかで比較的に高いです。とくに香港大学、香港中文大学、香港科技大学が、近年アジアTOP10大学の常連客です。香港はイギリスの植民地時代から国際貿易を非常に重要視し、97年中国に返還して以来もその方針が大きく変わっていません。香港の大学も国際連携やグローバル化にたいへん注力し、海外の学術協定校を増やしながら、留学生の割合を高めています。

本グループが支援する大学院の留学に限っていえば、香港はアジア留学のなかでおすすめの地域の一つです。その主な理由は、
・大学のシステムがほぼ欧米式のまま
・大学における指導言語が英語を基本としている
・イギリスの植民地時代から香港の大学(とくに香港大学、香港中文大学、香港科技大学)がすでに世界的に高評価
・香港の大学を通じてさらに海外の名門大学への留学が実現可能(海外の学術協定校)
・給付型奨学金がかなり潤沢で、現状日本人が獲得しやすい
・交通、政府や銀行関係の手続き、種々の施設など、書かれる言語がほぼバイリンガル(英語と中国語)
・中国返還後とはいえ、社会システムがイギリス植民地時代とは大きく変わらない

ちなみに、本グループに寄せられたお問合せでは、香港留学と中国留学とはどう違うのという質問が結構ありました。簡単にいえば、200年近くイギリス統治下となっていたという背景があるので、香港の大学は植民地の早期からイギリス制度のもとで発足し、欧米の大学と近いシステムのなかで発展してきました。それが多くの海外協定校ができた背景にもなっています。一方、中国の大学は指導言語が中国を基本とすると同時に、近代中国の社会システムに合わせた大学づくりなので、最初から香港の大学と異なった路線で発展してきました。欧米の大学システムに近いアジアの大学を希望すれば、香港の大学のほうがおすすめです。とりわけ、工学分野での留学を検討したいなら、香港一と評価されている香港科技大学工学院(QSランキング)が良い留学先かもしれません。下記は最新のランキング情報ですが、Data ScienceとAI分野では、香港科技大学工学院が現在世界10位です。よかったら、ご参考ください。
https://hkust.edu.hk/about/rankings

Q2:香港科技大学と本支援サイトの情報を見ると、確かに給付型奨学金がそれぞれがあって、金額も驚くほど高いです。これらの給付型奨学金って本当に返済しなくてもいいですか。返済義務なしというのは、何か条件付きですか。

本サイトの情報は基本香港科技大学の公式サイトを参照しているので、情報内容としては同じです。本サイトでいう給付型奨学金は公式サイトのScholarship・Award・Fellowshipを指します。香港では、返済義務のある経済的サポートは教育ローン(LoadまたはFinancial aid)と明記され、申請期間や審査基準などが給付型奨学金とは異なります。両者は別々のシステムで考えると良いでしょう。本サイトは教育ローンの情報を当分掲載しない方針ですから、給付型奨学金というページのなかでリストアップされている内容は、すべて返済義務なしのものとなっています。

香港科技大学工学院留学に使える給付型奨学金の多くが400〜600万円程度のものでかなり高額のため、確かに返済が必要となると、学生にとってはたいへんになります(例えば博士コースの4年間でカウントすると、2400万円以上)。皆さんの「本当に返済してなくて良いですか」という心配はよく理解しています。給付型奨学金について工学院のスタッフにも確認をとれているから、とくに条件などがついておらず、本当に返済してなくて大丈夫です。

給付型奨学金の最新情報は給付型奨学金のページをご参考ください。

Q3:給付型奨学金の対象が日本人に限らないようですが、なぜ日本人が獲得しやすいですか。

これは正式に公表されておらず、私たちの経験をもとにわかったことです。多くの給付型奨学金は、審査にあたって国や地区が配慮されているようです。特別にある国または地域の学生が優遇されるというより、全体の合格者のなかで国・地域の割合がきまっているようです。これは国際的なバランスを保つことが重要視されるからではないかと考えます。つまり、ある国・地域の申請者の数が多くなると競争が激しいが、逆にその国・地域の申請者が少ない場合は、競争が少なく合格しやすいです。現在、香港科技大学工学院留学を希望する日本人が非常に少ないので、日本人として申請するととても合格しやすいということです。今後日本人留学生が増えていったら状況が変わるかもしれないが、当分まだ少ないため、日本人にとって給付型奨学金が獲得しやすい時期になっています。香港科技大学工学院留学を検討したいなら、給付型奨学金獲得の視点から、今が良いタイミングと言えましょう。

給付型奨学金の最新情報は給付型奨学金のページをご参考ください。

Q4:MPhilとPhDコースは入試に合格しオファーをもらえると基本給付型奨学金が付くようですが、本当ですか。

はい、本当です。コロナのあとですが、香港科技大学が方針を変えてすべてのMPhil・PhDのオファーに対してPostgraduate Studentship Awards (PGS)を提供するようにしました。これは大学院留学に使える最も基本的な給付型奨学金とはいえ、年間415万円程度で十分に学費や香港での生活をカバーすることができます。PGSはほかの給付型奨学金と違って学生自ら申請する必要がありません。MPhil・PhDの入試に合格し正式に大学からオファーをうけると、基本としてつきます。もちろん、学生自身が同時にほかの給付型奨学金を申請することが可能です。例えば、MPhilなら最上位のAsian Future Leaders Scholarship Program (AFLSP)(年間約480万円)、PhDならHong Kong PhD Fellowship Scheme (HKPFS)(年間約615万円)を申請することができます。ほかに申請できるアワードや給付型奨学金もあります。つまり、MPhil・PhDの入学が認められると、給付型奨学金が保証され、少なくとも年間400万円以上がもらえます。

給付型奨学金の最新情報は給付型奨学金のページをご参考ください。

Q5:香港科技大学工学院のMasterコースをみると、MScとMPhilというプログラムがあるが、その違いは何ですか。

MScとMPhilは香港科技大学独自のコースシステムではなく、欧米の大学では普通になっています。MScとはMaster of Scienceの略で、MPhilはMaster of Philosophyの略です。MPhilのPhilosophyというのは哲学の専攻ではなく、研究者型思考のことを指します。つまり、MScは学びとコースワークを中心にする一方、MPhilは研究をベースにした研究者養成のコースです。そのため、MScはTaught Programという読み方もあります(教わるタイプ)。両者の違いは主に下記のとおりです。

ここで注意すべきなのは、MPhilを希望する場合、出願の前に指導教員を探し相談することが必要です。MPhilは指導教員のもとで研究することが要求されるので、システム上指導教員がリードする研究室に属しながらトレーニングをうけることになります。出願の前に十分に指導教員と相談し、研究内容や研究室の雰囲気などが自分に合うかどうかをチェックしておくことがおすすめです。なお、入試の審査にあたって指導教員の評価が合格するかどうかに大きく関わるため、できれば訪れて面談、あるいはZoomなどでもオンライン面談を行なっておくと良いでしょう。指導教員と全く面識のないままで入試に臨むことを避けるべきです。

MScとMPhilの詳細については、下記の記事をご参考ください。

最後に

本記事は2024年留学相談におけるQ&A特集(1)で、寄せられた質問のなかで皆さんに参考になりそうなものをまとめてみました。質問の数が結構多いため、残りを(2)にまとめて、2025年新年明けにアップする予定です。以上の内容がご参考になりましたら、ぜひ本グループの発信をフォロしてください。

冒頭に説明したように、現在欧米留学が主流となっており香港留学に関する情報発信が非常に不足しています。情報がたいへん足りないなか、留学といえば欧米留学(とくにアメリカ)というイメージが固まっています。以前留学のフォーラムにてある議論をみたことがあります。給付型奨学金なしでアメリカの二流大学にいくか、それとも給付型奨学金付きでアジアのTOPレベルの大学に留学するか、という内容でした。給付型奨学金をもらいながら欧米の一流の大学に進学できたら一番良いかもしれないが、現実的に多くの学生にとってかなりハードルが高いです。世界においてアジアの大学たちが急速に台頭してきている今は、留学先を再考する良いタイミングかもしれません。

繰り返しますが、世界は広く、欧米地域に限らず、アジア留学においても自分の視野拡大とスキルアップにつながるチャンスがたくさんあります。そして、経済的な負担をなくし留学が楽にさせる給付型奨学金獲得のチャンスもいっぱいあります。まず第一歩を踏み出して、自分なりの留学を実現させるために、的確な情報収集をしておきましょう。

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私たちは香港科技大学工学院の正式後援を受けた日本人留学支援グループです。

メンバーには香港科技大学留学中(とくに工学院)の日本人学生、香港科技大学の留学を修了した日本人OB/OG、日本の国立大学で国際交流・留学サポートを担当している香港出身の先輩、そして日本人学生を応援したい留学生がいます。

香港科技大学工学院(大学院工学研究科)留学担当スタッフと連携しながら、給付型奨学金・修士博士コース・研究動向・キャリアアップなどの情報を集めてアップしています。
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科技大在学中の学生やOB/OGとの交流ができるように、定期的にZoom留学交流会を開催します。本サイトのブログとともに、SNSで発信していますので、最新情報をご希望の場合、是非フォローをお願いいたします。
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