留学先の国際ネットワークを活かしてさらにアウトバウンドを

留学先の国際ネットワークを活かすことが重要なポイント

留学先の国際ネットワークを活かしてさらに有意義なアウトバウンドを図ることが、多くの学生は忘れでいるようです。たいへん重要なポイントなので、留学検討の際ちゃんと考えておくことをお勧めします。

上記は日本の国立大学で留学支援の仕事をしている先輩のKさんからのアドバイスです。様々な日本人学生の香港科技大学留学をサポートしているなかで、このアドバイスに共感しました。

「留学先の国際ネットワークを活かしてさらに有意義なアウトバウンドを図ること」って具体的にどういうことか、先輩Kさんに詳しく聞きました。皆さんの参考になるかと思うので、尋ねた内容をこの記事でシェアします。

留学先が世界へのステップアップまたはハブでもある

まず一つの基本コンセプトを頭に入れておきましょう。

留学先が世界へのステップアップまたはハブでもある!

留学といえば、通常は留学先のことを中心に考えます。例えば香港科技大学への留学の場合、結構多くの学生は「香港留学」、「香港で学ぶ」、「卒業したら香港で就職」、「香港で学位取得の価値」、「香港の文化」、「香港のビジネスチャンス」、「広東語」などをまず考える傾向が強いです。

もちろん香港が大好きで、香港の文化や国際的なビジネス環境に興味のある学生にとっては、香港のことをいろいろと考えると楽しいし留学する甲斐がますます強く感じます。一方で、香港の経験がほとんどない学生にとっては、香港ってあまりピンとこないので、香港への留学のチャンスを見逃してしまう可能性があります。

実は、留学しても必ずしも留学先に留まることがなく、むしろ留学先を世界へのステップアップあるいは世界へのハブとして考える方が、留学先の本当の価値が判断しやすい!

先輩Kさんが以前支援していた学生Sさんの事例を見てみましょう。
Sさんは以前香港科技大学工学院へ留学し、データ分析を専攻していました。留学の前に少し香港のことを知っていたが詳しくはありませんでした。もちろん卒業後香港でキャリアをスタートすることも考えていませんでした。当時給付型奨学金が獲得しやすい点と向こうの先生が結構お気に入りなので、主にその二つの理由で留学に行きました。
データ分析といえば、ビジネスの色が強い香港では金融のデータを扱うことが多く、Sさんはその機会で金融データ分析に興味を持ち始めて、徐々に金融の世界における有名な企業たちも知って、将来金融を扱う大手で働きたく思うようになりました。
香港科技大学はビジネスと工学の融合を強く進めている大学で、学生の国際インターンシップも重視しているため、世界の有名な企業たちと連携して短期・長期インターンシッププログラムを実施しています。Sさんは科技大の国際インターンシッププログラムを応募し、世界有名な金融企業M社による約半年のデータ分析のインターンシップができました。6ヶ月のインターンシップのなかで、Sさんは香港だけでなく、中国、シンガポール、アメリカ、イギリスなどの国を回って実際のデータ分析の仕事を体験しました。SさんはM社に結構評価されたようなので、その延長線で卒業後M社に入社し、シンガポールで働くようになりました。

Sさんの実例から、香港科技大学留学は香港に留まらず、Sさんにとって世界へのステップアップとなりました!

Sさんがうまく科技大の国際ネットワークを活かしたことも重要なポイントでした。

留学先の地域というより、留学先の大学がもたらしたチャンスに注目

先輩Kさんが強調しましまた。学生Sさんの実例をみると、留学検討において留学先の地域のことばかりではなく、留学先の大学自体がもたらしたチャンスに注目したほうが良いと思います。とくに留学をはじめ将来国際的なキャリアを築きたい学生にとっては、留学先の大学が国際的にどう評価されているか、どれほど豊富な国際ネットワークを持っているか、そして学生にアウトバウンドのチャンスをどのくらい提供しているかが重要な考えるポイントです。

先輩Kさんに教えてもらったポイントをまとめてみました。留学先の大学について下記の情報を収集し検討すると良いそうです。
・興味のある専門領域とともに、大学全体と研究科の国際的評価
・学術協定で結んでいる海外大学と留学プログラムの豊富性
・国際インターンシッププログラムの多様性
・就職フェアにおける海外企業の参加の有無(日本の企業を含む)
・教員の出身大学の国際性

これらの面をみれば、留学先の大学がどの程度のアウトバウンドのチャンスとステップアップの価値をもたらしてくれるかが大まかにわかるということです。

留学先を経由してさらにアウトバウンドを図るという考え方もあり

先輩Kさんがもう一つのポイントを教えてくれました。留学先を特定の国・地域のゲートウェイとしてさらにアウトバウンドすることも、留学を活用する方法の一つだそうです。

香港科技大学留学を例として説明しましょう。最近中国の技術的発展(とりわけデータ処理や人工知能)や中国におけるビジネスチャンスに興味を持つ日本人学生が増えてきています。ところが、多くの日本人学生にとって中国語と文化の壁があるためいきなり中国へ留学することが難しいです。香港は中国における海外向けの重要なゲートウェイとしてよく知られている一方、本土の中国と異なり大学では英語が主要言語となっており、かつてイギリス植民地だったため教育システムがほぼ欧米と同じです。したがって、まず香港へ留学し、専門を学ぶと同時に中国語習得や中国事情の勉強を経てから、香港という入口を経由してさらに中国へ進めば(留学やインターンシップ)、より入りやすいです。中国の一都市でありながらイギリス植民地だったという独特な背景のもと、ゲートウェイという役割を強くもつ香港だからこそ、こういう考え方が適応するかもしれないとのことです。

以上、日本の国立大学で学術交流・留学支援の仕事をしている先輩からのアドバイスをまとめました。皆さんの参考になれば、うれしく思います。

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About us

私たちは日本人学生の香港科技大学留学を支援したい有志たちのグループです。メンバーには香港科技大学留学中(とくに工学院)の日本人学生、香港科技大学の留学を修了したOB/OG、日本の国立大学で国際交流・留学サポートを担当している先輩がいます。
私たちの経験とともに、給付型奨学金・コース・コロナの対応などの情報をまとめてアップしています。
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